ベーシックインカムの検討が始まった (4)

ごく最近の別の調査(地方自治体開発財団/Kunnallisalan Kehittämissäätiöによる,11月末から12月初頭にかけての世論調査)に関する簡単な追記をしておきたい.この調査の報告書はこちら(pdf)にある.

 

国営放送Yleの報道によると,回答者の51%がベーシックインカム構想を支持し,23%が反対,残りが「分からない」と回答したということである.また,68%の回答者が,失敗した場合の痛手を和らげてくれるので,ベーシックインカムによって起業しやすくなると回答している.

 

地方自治体開発財団のウェブページによると,職業別にいうと,最も支持が高かったのは失業者(71%),企業家(63%),学生(57%)の順であった.また,63%の人が,ベーシックインカムの導入によって,現行の社会保障制度にかかわる官僚制システムを解体することが出来るだろうという見解に賛成し,60%の人が,社会保障の受給に必要となる現行の資力調査(ミーンズテスト)の労力を削減できるだろうという見解に賛意を示している.

 

しかし,69%の回答者は,ベーシックインカムの金額決定は,政党間の果てしない論争をもたらすと予想している.

 

このように,直近の世論調査によれば,国民の支持はそれなりに高いものがあるし,期待も大きいと言えるだろう.しかし,金額をいくらにするかについては,難しい問題を孕んでいることを示唆している.